税務デューデリジェンス(税務DD)

税務デューデリジェンスでは、税⾦の申告や納付など税務に関する資料を対象とした調査を⾏います。書類だけで不⼗分な場合は、担当者のインタビューなどを実施します。税務DDを実施するには、法⼈税や消費税などに対する幅広い地しくが必要であり、必要があれば、税理⼠や税理法⼈に調査業務を委託します。

税務デューデリジェンスでは、過去の法⼈税等の申告状況の調査を⾏い、処理の誤りや、申告漏れがないかなど、課税リスクを調査します。さらに、税務⾯の管理体制を調査し、税⾦の計算、申告体制、顧問税理しとのやり取り、過去の税務調査の状況を把握します。

経営者、実務担当者へのインタビューも⼤事ですが、M&Aの取引は、極秘情報となるため、情報共有の範囲は、通常は、役員等に限られます。そのため、実務担当者への協⼒を要請する場合は、情報漏えいのリスクを気にしながら、情報収集を⾏う必要があります。

税務DDでは、過去の税務申告が適切であったか、納税が適切に⾏われているか、過去の組織再編等に対して、適切に税務処理が⾏われているか、買収後に課税が⽣じる可能性があるのか、繰越⽋損⾦が買収後に利⽤可能かなどを調査します。

まずは、過去の納税額の推移を破格し、納税期限が到来している税⾦で未納となっているものがないかチェックします。そして、過去の課税所得の推移を把握し、税負担の割合を把握します。

税務DDに関連する資料を精査し、申告調整項⽬の中に、重要な外部流出の項⽬があるか、確認します。

税務DDに関係するリストの例

分類 資料名
全体把握 納税⼀覧表(納付書)
滞納している税⾦がある場合はその内容と⾦額が確認できる資料
法⼈税申告書
消費税申告書
修正申告書、更⽣通知書
税務調査 税務調査における指摘事項⼀覧
税務当局への照会⽂書
税務申告書 交際費などの処理基準が確認できる資料
税務上の貸倒損失計上に関する根拠資料
試験研究費の集計資料
外国税額控除の関係資料
特定の取引に関して、過去に外部専⾨家からの意⾒書、報告書
関係会社取引 関係会社に役務提供がある場合、その内容が確認できる資料
関係会社との取引に関する資料
移転価格⽂書
移転価格税制に関して、外部専⾨家からの分析資料
その他 源泉所得税、関税、その他の税目について、税務当局からの指摘を受けた場合にその内容が確認できる資料